Wednesday, August 29, 2018

糖尿病の危険因子(リスクファクター)




血糖値の恒常性



血糖値低下
ー>膵臓α細胞よりグルカゴン放出
ー>肝臓にてグリコーゲンを糖に分解
ー>血糖値上昇
ー>膵臓β細胞よりインスリン放出
ー>体細胞および肝臓にて糖の取り込み
ー>血糖値低下(元に戻る)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4530253/



α細胞

左図:低血糖時
右図:高血糖時
低血糖時にはグルカゴンが放出される(左図)
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/58/2/304



β細胞

SUR:スルホニル尿素受容体
要素
・グルコース
・ATP(リン酸?)
・カリウム
・カルシウム
・インスリン(分泌)
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/51/suppl_3/S427

スルホニル尿素受容体




クロムとの関係

インスリン、クロムとグルコース
A→B→C→D

https://academic.oup.com/ajhp/article/67/7/535/5130069
https://www.semanticscholar.org/paper/Improved-glucose-control-associated-with-i.v.-in-Phung-Quercia/885a0ac93121c1c3192596acee4296623c51dca2




リスク要因

糖尿になるリスクが少ない順

・ビタミンD
・運動
・穀物繊維(全粒粉パン、ミューズリー)
・コーヒー
・全粒穀物
・アルコール消費
・マグネシウム
・低GL食品
・低GI食品



糖尿2型危険因子


https://www.semanticscholar.org/paper/Diabetes-1-Prevention-and-management-of-type-2-%3A-Ley-Hamdy/1bb7f7408c9a9ad50a8ca48198b52ebcce40433b





糖尿2型危険因子





https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0194127





全因死亡率

米国、健常者
HbA1c vs 全因死亡率
HbA1cが4.5-5.5くらいがベスト
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/circoutcomes.110.957936




全因死亡率、年代別、性別


全因死亡率vs空腹時血糖値

空腹時血糖値で診た全因死亡率(年代別)
https://www.nature.com/articles/s41598-017-08498-6



人種別


人種別の糖尿病の罹患率
インディアン>黒人>ヒスパニック>アジア系>白人
https://emedicine.medscape.com/article/117853-overview



トリプトファン



トリプトファン摂取増大でインスリン分泌増大
https://www.nature.com/articles/srep35727


トリプトファンで血糖低下

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23419400/



リノール酸


多価不飽和脂肪酸(PUFA)のひとつ

リノール酸(上段)のリスクが低い

リノール酸は糖尿のリスクを低くする
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6029721/






nー3(ω3)よりよさげ

http://www.schoolhealth.jp/deih/kenkyu_shoukai_2.html





n-3脂肪酸

n-3脂肪酸の糖尿病リスク
ALA、DPA、DHAのリスクが若干低い。
https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1002094.g002




DHA



DHA比率が高いとグルコース取り込み能が上昇
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5331541/





n-6脂肪酸

n-6脂肪酸の糖尿病リスク
LA(リノール酸)、GLA(γリノレン酸)がリスクが低い
https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1002094.g003







オメガ6脂肪酸
リノール酸


n-6系不飽和脂肪酸やリノール酸とn-3系αリノレン酸は糖尿病リスクを低下させる
αリノレン酸以外のオメガ3は影響がない
http://ccs.ncgm.go.jp/010/020/20160229160227.html







リノール酸
オレイン酸
DHA



リノール酸、オレイン酸、DHAは糖尿病のリスクを低下
https://www.nature.com/articles/srep46337




アラキドン酸
20:4

HbA1c vs アラキドン酸

アラキドン酸が多いと長期血糖値 HbA1cが低下
https://www.semanticscholar.org/paper/Low-phospholipid-arachidonic-acid-values-in-Jones-Carter/62aae574c5f455c5f39e982c0d0c12eca44be3a1





ビタミンK

K1
血中ビタミンK1(フィロキノン)と糖尿リスク

ビタミンK1で糖尿リスクが少し低下。
遺伝子型による差異はそれほど大きくなさそう。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6314462/



ビタミンD


糖尿病リスク

血中ビタミンDと糖尿2型リスク

http://care.diabetesjournals.org/content/36/5/1422



糖尿病リスク



ビタミンDが高いほどリスクは低下
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0193070


前糖尿病リスク
(糖尿病の一歩手前)



ビタミンDが高いほどリスクは低下
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0193070





運動

有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせると血糖値に良いらしい

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/022403.php




最大酸素摂取量
VO2max


B ) VO2mac vs 空腹時血糖値
http://care.diabetesjournals.org/content/38/5/921.figures-only
VO2max を40以上にするのが目標になりそう
これは心拍数に換算すると40くらいになる。
ほとんど運動選手






クロム

糖尿病リスク

血中クロム濃度vs糖尿病リスク

血中クロム濃度が高いほど糖尿病リスクは低くなる
https://www.mdpi.com/2072-6643/9/3/294/htm




クロム

II型糖尿病患者
クロムが多いとトリグリセリド(中性脂肪)が低くなる
https://www.scirp.org/Journal/PaperInformation.aspx?PaperID=90043



クロム


クロムが高いと長期血糖値 HbA1c が低下する
https://www.scirp.org/Journal/PaperInformation.aspx?PaperID=90043





クロム


上段:クロム
中段:銅


多いほど長期血糖値が上がる
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2802363/

糖尿圏では血糖値に対して銅があまり増えていない





亜鉛:銅の比率


亜鉛:銅の比率でみると亜鉛が銅より多くなると長期血糖値が低くなる傾向がある
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5108809/




亜鉛
銅:亜鉛の比率

● T2DM:糖尿患者
○ FDR:第1級親族

A ) 銅は少ないほうが長期血糖値が下がる
B ) 亜鉛は多いほうが長期血糖値が上がる
D ) 銅:亜鉛の比率が低いほうが長期血糖値は下がる
(銅と亜鉛は1:1か亜鉛が多いほうが良い)
http://endometabol.com/en/articles/17726.html




亜鉛



亜鉛が多いほど血糖値は下がる
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3758701/





血糖値



ビタミンDは 35ng/mLくらいまで血糖値が低くなる
http://www.medsci.org/v12p0362.htm





ビタミンDというのは、ミネラルの吸収を良くする栄養

日光に当たってもこれが皮膚で作られます

なんか光合成みたいだと思いませんw

植物は根で地面からミネラルを吸い上げていますが

人間は、陽の光に当たると腸からミネラルを吸収するみたいです


さて、どんなミネラルが糖尿では重要なのでしょう?

穀物繊維のミネラルを調べると

米もオーツ麦も小麦も

・カリウム
・マグネシウム
・マンガン

が多いことが分かります


一方、糖尿病リスクを見ると

血中のカリウム濃度が多いほど糖尿リスクが低くなる

尿中への排泄をみても、4000mg/日 くらいまではリスクが低くなる

マグネシウムも 500mg/日くらいまでリスクが低くなる

マンガンの場合は 血中濃度に対してリスクが U字の関係になる





マグネシウム

上段:前糖尿病リスクvs血中Mg濃度
下段:糖尿病リスクvs血中Mg濃度

血中マグネシウムが高いと糖尿リスクが低くなる
https://www.nature.com/articles/s41598-017-13050-7





カルシウム




カルシウム(縦軸)が高いとHbA1c(血糖値、横軸)が高い傾向がある

https://www.msjonline.org/index.php/ijrms/article/view/1811

カルシウムは細胞の中に取り込まれていないことの反映か?






BMI

左図:BMI vs カルシウム
右図:BMI vs マグネシウム
糖尿病ではBMIが高くなると血中ミネラルが低くなる
http://biomedpharmajournal.org/vol9no3/impact-of-body-mass-index-on-hypomagnesemia-and-hypocalcemia-in-type-2-diabetic-patients/

太っている人はビタミンDやカルシウム、マグネシウムを摂ることが必要そう






尿素窒素(BUN)

アンモニアや尿素と同じ


糖尿病のリスク


尿素窒素(BUN)が高いと糖尿のリスクが高くなる
https://www.kidney-international.org/article/S0085-2538(17)30676-2/pdf




インスリンの使用リスク(糖尿病患者)

アメリカ退役軍人
糖尿病患者

尿素窒素(BUN)は20以上では高くなるほどインスリンの使用リスクが高くなる
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1479164118785050



尿素窒素
腹膜透析


透析では重炭酸イオン濃度が高いほど尿素窒素(BUN)は低下
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0085253815496681

運動しろということかな? 炭酸水や炭酸塩を飲むとか?




タンパク質



糖尿病はタンパク質と関係があるぽい
動物性タンパク質のロイシンは脂肪量を増やし
ヒスチジンはインスリン抵抗性を高める?
植物性タンパク質は脂肪量を減らす
https://www.nature.com/articles/s41387-018-0067-4



アルブミン


アルブミンが高いほどHbA1cは低くなる
https://care.diabetesjournals.org/content/28/2/437




ヒスチジン

BMIが適正な人にはヒスチジン摂取量が多い人が多い
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4963896/




グルタミン


グルタミン摂取で血糖値が下がりやすくなる
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2928340/


グルタミン

30g/dで糖尿2型の動脈硬化リスク要因を改善
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25466655


グルタミン

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5842660/



PUFA

PUFAは血糖値を下げグルコース消失速度を高める
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4801380/




果物




https://dm-net.co.jp/calendar/2013/020656.php




食物繊維

食物繊維の摂取量が多いほど糖尿病リスクが減る(15g/日以上)

不溶性食物繊維の摂取量が多いほど糖尿病リスクが減る(17g/日以上)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3705355/


食物繊維というのは、繊維だけではない。
天然の食材では食物繊維にミネラルもたくさんくっついていることに注意。
(精製した食物繊維はどうなっているのか不明)



https://www.todaysdietitian.com/newarchives/0718p11.shtml







コリンとベタインの血中濃度と糖尿リスク


上段:血中濃度、下段:尿、Y軸は糖尿リスク
http://clinchem.aaccjnls.org/content/62/5/755
※コリンとベタインはTMAOの問題がある


コリンの摂取量と血中濃度



ベタインの摂取量と血中濃度

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3876775/






二酸化炭素

二酸化炭素は重炭酸イオンとなる。
CO2 + H2O = HCO3(-) + H(+)
運動では酸素を吸い込んで二酸化炭素を製造し重炭酸イオンを供給してる。
心肺持久力と関連か?


全因死亡率

太線
(透析患者)
https://cjasn.asnjournals.org/content/1/1/70




全因死亡率


全因死亡率vs重炭酸イオン


(重体患者)
https://www.semanticscholar.org/paper/Increased-serum-bicarbonate-in-critically-ill-a-Lib%C3%B3rio-Noritomi/6db296026f13c8021ac28ba421a884d6231e4782




全因死亡率

全因死亡率vs重炭酸イオン

(透析なし腎臓病)
https://pdfs.semanticscholar.org/ee0f/5c85121ee4011eca326905dc9e7d740b9674.pdf







重炭酸イオンとpH




http://pediatrics.aappublications.org/content/136/2/e371




アニオンギャップ



入院3日間の
グルコース濃度の推移

アニオンギャップの推移
http://clinical.diabetesjournals.org/content/35/4/249




アニオンギャップ =Naイオン ー (Clイオン+ HCO3イオン)


アニオンギャップを下げるには、塩化物イオンと重炭酸イオンを増やす必要がある

もちろん、ナトリウムを尿から捨てても良い



アニオンギャップが高いと全因死亡率が高くなる

A-SAG:アルブミン調整済血中アニオンギャップ
(慢性腎臓病の場合)

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0156381



老人の場合


アニオンギャップは全因死亡率と関連
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0531556513003513





重炭酸イオンとアニオンギャップの関係


透析患者の場合


アニオンギャップが高いほど重炭酸イオンが低下する
https://core.ac.uk/download/pdf/82021686.pdf
体の二酸化炭素製造能力を高めてアニオンギャップを低くし死亡率を下げる方向がよいと思う





βヒドロキシ酪酸




二酸化炭素が少ない時はケトン体としてのβヒドロキシ酪酸が多くなる

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/484954





血糖が高くなるとヒドロキシ酪酸がふえてケトン臭くなる
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3014707/





HbA1c

長期血糖値HbA1cが高いほど、酸化ストレスMDAは高くなり
ビタミンA,C,Eは低くなる
https://innovareacademics.in/journals/index.php/ajpcr/article/view/24548



HbA1c
網膜症



HbA1cが高いほど網膜症の進行が早い
https://lancet.co.ke/haemoglobin-a1c-hba1c/





関連ブログ

インスリン抵抗性

コレステロールとタンパク質の関係




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