Monday, November 19, 2018

食物繊維

食物繊維の分類


水溶性     βグルカン、ガム、サイリウム、ペクチン、イヌリン
発酵性     ペクチン、βグルカン、ガーガム、イヌリン
粘性         ペクチン、βグルカン、ガーガム、サイリウム
不溶性     セルロース、リグニン
難発酵性 セルロース、リグニン
非粘性     イヌリン
機能的     難消化性デキストリン、サイリウム、FOS、ガム、レジスタントスターチ


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3705355/


食物繊維の分類と例


右端は食物繊維の種類

https://www.todaysdietitian.com/newarchives/0718p11.shtml

粘性と発酵性

Fermentation : 発酵性
Viscosity : 粘性




https://www.bakingbusiness.com/ext/resources/images/2/0/1/1/_/s/m/s/s/i/features/2011_10Oct_FiberMechanisms.jpg?w=500&h=196&as=1



食物繊維の構造

レジスタントスターチ = グルコースの多糖 (別名:アミロース; )
難消化性アミロース以外のアミロペクチンは消化が容易なので避ける

セルロース = βグルカンの多糖、リグニンとも結合している

oat fiber   =  βグルカン + フィチン酸

βグルカン = グルコースの多糖

フィチン酸 = グルクロン酸に変換されうる

ペクチン   = ガラクツロン酸を主とする多糖 (ガラクトースが酸化されたウロン酸の多糖)

イヌリン   = フルクトースを主とする多糖

グルコマンナン = グルコース:マンノース=2:3の多糖類 (こんにゃく芋)

マンノース  ・・・細菌が膀胱壁などに取り付くのを阻害するっぽい
マンノース受容体が存在し病原菌への応答として血液の浄化?を行うらしい


ガム類

・ガーガム =主成分はガラクトマンナン (ガラクトース1分子 + マンノース2分子)の多糖。グアー豆からとれる。


加水分解ガーガムとは グアー豆酵素分解物のことらしくPHGGとも呼ばれらしい
英語では、Partially hydrolyzed guar gum と呼ばれ、腸のpH低下にも役立つらしい
Sunfiberの商品?成分比率は


・アラビアガム = アラビノガラクタン(アラビノース+ガラクトース)を主とする多糖。
アカシアの木からとれるアカシア・ガムの主成分でもある。詳細な成分比率は
アラビノース:ガラクトース:ラムノース:グルクロン酸
=3:3:1:1 
※ アラビアノースは五炭糖(ペントース)
アカシアガムは糖尿の抹消神経障害に効くとも言われる


・キサンタンガム = (グルコース2分子 + マンノース2分子 + グルクロン酸)の多糖。微生物の発酵過程で生成するらしい。


フコイダン ・・・ フコースを主成分とする多糖類 。わかめ、もずくなどに含まれる。

フコース ・・・ ガラクトースのデオキシ糖



サイリウム・ハスク :  アラビノキシラン + グルクロン酸
                               アラビノキシラン(AX) = アラビノース(2割) + キシロース(7割)

AX  = アラビノキシラン = アラビノースとキシロースを主とするオリゴ糖
                                               サイリウムには6割以上含まれるらしい
                                               その他、木や穀類、種子外皮などの主成分の1つとして含まれる

                                機能的食物繊維。肥満、糖尿、高コレステロール血症、癌などに

大豆オリゴ糖・・・スタキオースとラフィノースが主成分

フルクタン

ITF  イヌリン型フルクタン
FOS フルクトースオリゴサッカライド = フルクトースを主とするオリゴ糖


ガラクタン

GOS ガラクトースオリゴサッカライド = ガラクトースを主とするオリゴ糖


XOS キシロースオリゴサッカライド = キシロースを主とするオリゴ糖


ラフィノース = フルクトース + ガラクトース + グルコース

スタキオース = 2 x ガラクトース + 1 x フルクトース + 1 x グルコース

ラクトスクロース = ガラクトース+グルコース+フルクトース。
                                     ラフィノースとの違いは不明
                                     (日本で乳果オリゴとして販売されている)


ケストース = 1 x グルコース + 2 x フルクトース


ムチン・・・N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルグルコサミンガラクトースフコースシアル酸などから構成される。



菌糸類(きのこ)
・キチン-グルカン

フェノール化合物(重合物もあり)

・リグニン - モノリグノールの重合体
・ブドウ(グレープ抽出物) - プロアントシアニジンの重合体
・ザクロ(Pomegranate) - 没食子酸の重合体(エラグ酸)

おそらく重合するフェノール類(フラボノイド類)は全部含まれると思う
メラニンと同じで酸化還元ストレスと関係か?
・タンニン(茶) - カテキンの重合体


思いつき
食物繊維は善玉の多糖類を分解する能力をもつことで
外敵細菌類の多糖類(LPS等)を分解する能力を持とうとしているのかもしれない?



利点


発酵によるpHの低下
短鎖脂肪酸(SCFA)の産生
悪玉菌の抑制
アンモニア、アミンなどの抑制

アカシアガムはビフィズス菌類を増やす



SCFAの産生


酪酸(ヒト)

125 oat bran オーツブラン
  63 wheat bran 小麦ふすま
  58 corn fiber コーンファイバー

    7.9   サイリウム(ハスク)
    7.3   ガーガム(加水分解 - グアー豆酵素分解物)
    5.8   大豆オリゴ糖
    5.3   イヌリン
    3.9   イヌリン(加水分解)
    3.5   セルロース(パウダー)
    2.8   FOS
    2.2   グルコース
    1.6   セルロース

プロピオン酸(ヒト)

187   oat bran オーツブラン
  82   wheat bran 小麦ふすま
  70   corn fiber コーンファイバー

  11.8  セルロース
  11.1  ガーガム(加水分解 - グアー豆酵素分解物)
    8.3   セルロース(パウダー)
    8.0    サイリウム(ハスク)
    7.8   イヌリン 
    6.6   大豆オリゴ糖
    6.4   イヌリン(加水分解)
    5.5   FOS
    5.0   グルコース


酢酸は腸内細菌により作られるが
酪酸やプロピオン酸の原料として別の腸内細菌に使われるみたい。
酢の物を食べると少しはいいかも?

SCFA合計(ヒト)


858  oat bran
430  wheat bran
306  corn fiber

  31.8  ガーガム(加水分解)
  28.3  グルコース
  26.6  イヌリン 
  24.7  サイリウム(ハスク)
  24.6  大豆オリゴ糖
  24.1  FOS
  22.7  セルロース
  19.5  セルロース(パウダー)
  10     ラクツロース



https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3735932/



食物繊維別SCFA産生量 その2



http://www.gestaltreality.com/2014/06/16/prebiotics-probiotics-scfas-glyconutrients-comparisons-references/



候補

発酵性の ペクチン、βグルカン、ガーガム、イヌリン
SCFA産生の観点からサイリウム ハスク、加水分解ガーガム、セルロース、イヌリン
oat bran は不味すぎるから oat fiberにしとく。
アンモニアにはレジスタントスターチ(片栗粉)も





イヌリンの摂取方法

イヌリンは摂取開始時にオナラが出るのが問題です。
ユーザーレポートによれば 2-3週間でガスは消えるそうですが
ちょっと耐えられないくらい出ますw

まずはイヌリンを始める前に、他の食物繊維などを摂って
腸を食物繊維に慣らすことも必要でしょう。
イヌリンを摂る時は、最初 1回量を100-300mg程度にして、
腸の反応をしばらく見る必要があるかもしれません。
通常量は数グラム程度らしいのでかなり少ない量です。
最大20gまでは問題がないとされています。
大丈夫そうなら、1日1回から回数を増やしていきます。
12時間に1回、6時間に1回、3時間に1回、1時間に1回

そうやって腸が慣れてきてから
量を少し増やして行くほうが良いと思います。

イヌリンは腸内の発酵を促進して便をかき回し
柔らかくしてくれてる気もします。



関連サイト
https://www.selfhacked.com/blog/health-benefits-inulin/



イヌリンとFOSが多い食品


ねぎ、玉ねぎみたい
あとはゴボウ


https://michaellustgarten.files.wordpress.com/2014/07/fos-inulin.png
https://www.crsociety.org/topic/11488-cold-exposure-other-mild-stressors-for-increased-health-longevity/?page=14



イヌリンとFOS狙いなら、キクイモ、チコリ、たんぽぽ、ヤーコン
イヌリンだけなら、キクイモ、チコリ、たんぽぽ


イヌリンはアンモニア抑制(便中と尿中)作用がある
https://academic.oup.com/cdn/article/2/3/nzy005/4828321



ガラクトオリゴ糖は豆類に多いらしい
https://www.wheatbellyblog.com/2015/09/loading-up-on-galacto-oligosaccharides/



レジスタントスターチ


多い食品
・Potato Starch (片栗粉)     (じゃがいも)
・Hi Maize Resistant Starch (とうもろこし)
・Green Banana or Plantains(未熟成バナナ)


片栗粉(RS2)が高い

https://www.selfhacked.com/blog/the-resistant-starch-diet-the-most-effective-diet-for-weight-loss/



RS3 :レジスタントスターチ3

便中のアンモニア抑制効果が高い
https://academic.oup.com/cdn/article/2/3/nzy005/4828321

RDS : Rapidly Digested Starch
SDS : Slowly Digested Starch


赤いんげん豆(缶詰/Red Kidney beans)に多い

http://fanaticcook.blogspot.com/2008/01/types-of-resistant-starch.html







アラビノキシラン(arabinoxylan)


サイリウムに多く含まれる(6割以上)

穀類での割合


コーンのふすま(bran)に多い。次いで小麦ふすま。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/B9780081021620000083






マンノースが多い食品


こんにゃく
グアーガム
クランベリー
たんぽぽ





リグニンが多い食品


フラックスシード
にんじん、パセリ、だいこん、
小麦ふすま
桃、リンゴ

http://www.nutrientsreview.com/phytonutrients/insoluble-fiber-lignin.html





プロアントシアニジン、タンニン (カテキン、その異性体、二量体などの重合物)


カカオやダークチョコレートなどのフラバノール類 https://academic.oup.com/ajcn/article/93/1/62/4597700
http://www.gestaltreality.com/2014/06/16/prebiotics-probiotics-scfas-glyconutrients-comparisons-references/




関連サイト
http://www.gestaltreality.com/2014/06/16/prebiotics-probiotics-scfas-glyconutrients-comparisons-references/


関連ブログ
食物繊維の効能

Faecalibacterium prausnitzii (腸内細菌)


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